学体連ニュース 第2号2011/9/14

目次

第50回全国学校体育研究大会長野大会について
 1 全国大会開催の意義    筑波大学教授  岡出 美則先生
 2 長野大会の準備状況    長野県教育委員会スポーツ課 佐藤 厚彦先生    
トピックス
全国の保健体育研究会紹介
 第一回 東京都小学校体育研究会
お知らせとお願い

第50回全国学校体育研究大会長野大会について

1.全国大会開催の意義

筑波大学教授 岡出 美則

 新学習指導要領の小学校での完全実施、指導と評価の一体化の要請への対応、教員養成システムの改革等、今日の学校教育を取り巻く状況は、めまぐるしく変化しています。この中で、平成23年1月31日には、中央教育審議会教員の資質能力向上特別部会より「教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について(審議経過報告)」が出されました。
 そこでは、21世紀を生き抜いていける資質や能力を備えた人材の育成に対応した教育が求められていると宣言されるとともに、教員自身が主体的・自発的学習者として、常に学び続ける存在であることが一層必要であり、子どもの学ぶ意欲を高めるためにも、そのような学びの場としての学校であることが求められる、と指摘されています。
 では、このような要請に応え、質の高い体育授業の実現に向け、私たちは何をすべきでしょうか。また、そのためにはどのようなシステムを活用できるのでしょうか。
 我が国は、学習指導要領により、体育科、保健体育科の授業で指導すべき内容が示されています。同時に、文部科学省や関連機関は、学習指導要領で記された内容に基づく質の高い授業の実現に向け、様々な施策を行っています。教員研修センター実施される「子どもの体力向上指導者養成研修」や各都道府県並びに政令指定都市の指導主事を対象とした指導主事講習会は、その例です。この両者では、体育、保健体育の授業を実施するために必要な知識の獲得や情報交換が、指導主事や各都道府県において質の高い体育授業の実現に向けて日々、取り組んでおられる中心的な先生方の間で進められます。しかし、そこでは、児童、生徒が行っている生の授業を見て、あるべき姿について論議することができるわけではありません。
 この点、文部科学省と財団法人日本学校体育研究連合会が主催する事業である全国学校体育研究大会は、5年の歳月をかけて準備された授業をもとに、日本各地から多くの先生方が集い、幼稚園から高校、特別支援学校までの幅広い学校段階、学校種の授業を見ながら、社会的に求められている質の高い体育、保健体育の授業の実現に向けた情報交換の場となっています。また、教科調査官による解説に加え、質の高い授業の実現に向けたシンポジウム、さらには、大会テーマに関連した特別講演が設定されることで、授業を見た後の研究協議が、より生産的に展開されることが意図されています。
加えて、教科調査官との連携のもとで、具体的な授業改善に向けた取り組みが展開されています。当日の授業の背景に重ね合わされた論議を踏まえ、参加者の方々とともに、質の高い授業の実現に向け、多様なアイデアが交流され、それが、個々の学校での授業改善に向けた取り組みにつながっていくことができればと考えています。
多くの方々のご参加を願えればと思います。

2.第50回全国学校体育研究大会長野大会に向けての準備状況

長野県教育委員会スポーツ課学校体育係長
佐藤厚彦(第50回学体研実行委員会事務局主任)

長野大会の開催まで残すところあと2ヶ月、いよいよカウントダウンに入ってきました。手探りの状態からスタートした準備委員会ですが、方向性が明確になるとともに、各部が分担された仕事を進める中で、改めて大きな大会を開催することの大変さを感じています。不安材料は多々残されていますが、当日は、大会運営はもちろんのこと、研究主題に迫るよい授業を公開することで、長野大会に参加される多くの方々に満足いただける大会になるよう、研究面、運営面にともに、着実に準備を推進してきています。以下に、長野大会に向けての準備状況を紹介させていただきます。

1 研究面

(1) 研究の推進
 3年前より研究部を組織し、長野県の体育学習についての振り返りと新学習指導要領の趣旨から、研究の方向を検討してきました。また、公開校の研究主任を構成員とした研究部全体会を定期的に開催し、県全体の研究の方向と各会場校の研究の方向の統一を図ってきました。
 2年前にはプレプレ大会を2回、1年前にはプレ大会を2回開催し、ともに授業公開の実施を通して、講師から指導助言をいただき深めてきています。

(2) 公開校の研究
 本年度5~7月にかけて、全ての公開校で助言者を招いた事前授業研究会を実施し、よりよい授業作りに努めてきています。その後も助言者から指導をいただきながら研究を進め、その成果と課題を研究紀要にまとめています。

(3) 長野県学校体育研究会と長野市体育学習指導研究会との連携
 長野市の体育学習指導研究会が推進母体となっていますが、長野県学校体育研究会とも連携しながら、8月1日・2日に授業づくりに向けた合宿研究会を開催しました。全体講師として、筑波大学教授の岡出美則先生にご指導をいただきながら、公開校ごとに11の分科会を設置し、長野県内の先生方約100名が参加して研究を深めました。
 また、月に一度の長野市体育学習指導研究会定例会では、公開校の研究について、映像を持ち寄り、意見交換しながら、より具体的に研究を進めてきています。

2 運営面

(1) 準備委員会関係
①常任委員会、実行委員会の開催
 5月に開催し、本年度の実行委員会の組織を確定すると共に、推進計画を確認しました。
②会場校教頭会
 6月と8月に開催。各会場校で実際に分科会の運営に当たっていただく各校の教頭先生に集まっていただき、会場設営や分科会の運営について共通理解を図りました。
③各部部長副部長会議
 9月に開催。実行委員会各部の行動マニュアルを確認し合い、大会当日に向けての具体的な任務や行動細案を検討しました。
④総部員会 約50名参加
 行動マニュアルに基づき、部員全員がそれぞれの役割を確認します。

(2) 事務局関係
①講師依頼
 4月28日付けで、(財)日本学校体育研究連合会(学体連)及び実行委員会連名で施行しました。
②会場下見
 学体連理事長後藤一彦氏とホクト文化ホール及びホテルメトロポリタン長野の下見、打合せ会を6月14日に行いました。
③開催要項(一次案内)
 6月21日付けで、文部科学省より発送しました。
④大会案内(二次案内)
 7月25日付けで、各都道府県教育委員会、各指定都市教育委員会及び各都道府県学体連事務局へ発送しました。
⑤予算関係
 長野大会の経費見込額調書を6月21日付けで発送し、文部科学省より7月27日付けで「第50回全国学校体育研究大会に要する経費及び本大会に係る旅行依頼について(通知)」が送付されました。支出負担行為計画示達予定日は8月1日。

第50回全国学校体育研究大会長野大会について

理事・関係参与会

9月9日(金)午後6時より国立オリンピック記念青少年総合センターの財団事務局で、理事・関係参与会が開かれました。
公益法人化に向けた諸課題について会長・理事長から報告がありました。この間の経緯を踏まえ、文部科学省と連絡を密にして、引き続き公益法人化に向け取り組んでいくことになりました。
次に財務体制の確立に向けた協議がなされました。
さらに第50回全国学校体育研究大会長野大会の準備状況について関係理事の方々から報告がありました。長野大会成功のために充分な共通理解が図られました。

平成23年度実技指導者講習会

詳細はこちら

第50回全国学校体育大会長野大会各分科会

第50回全国学校体育大会長野大会各分科会の研究概要等はこちら

全国の保健体育研究会紹介

本号から全国各地域で活動されています保健体育研究会を紹介していきます。今回は東京都小学校体育研究会(会長:北村幸江東京都世田谷区立多聞小学校長)です。

東京都すべての小学校に新しい体育授業を!

平成23年度 東京都小学校体育研究会の活動紹介

東京都小学校体育研究会(小体研)とは、東京都の小学校体育の研究の振興を図ることを目的として昭和39年に創設された研究団体で、東京都の各区市町村等立公立小学校教育研究会所属の50を超える体育部を単位団体として組織され、調査研究、研究協議会及び講習会の開催、会報ならびに研究誌の発行、関係体育団体との連携等を主たる活動として活動しています。

基本的には、10の領域系ごとの分科会研究が中心となって年間を通して調査研究に取り組んでいますが、5月の総会を皮切りに、8月に実施する夏季合同研究会、領域系ごとで開催する秋の実証授業と学習会、多摩地区と区部とで行う研究発表大会が主要事業となります。今年度は次の通りです。

総会 (5月13日 世田谷区立多聞小学校)

講師 東京学芸大学教授 松田 恵示 先生(講演会)

夏季合同研究会 (8月19日 港区立港南小学校)

講師 都及び各区市教育委員会指導主事の方々(領域系分科会)
文部科学省スポーツ・青少年局体育参事官付 教科調査官 白旗 和也 先生(講演会)

実証授業&学習会(9月~11月)

講師 都及び各区市教育委員会指導主事の方々
①体つくり運動Ⅰ部会(1~4年)
②体つくり運動Ⅱ部会(5・6年、体ほぐし)
③器械運動系部会
④陸上運動系部会
⑤水泳系部会
⑥ゲーム部会
⑦ボール運動部会
⑧表現運動系部会
⑨保健部会
⑩体育的活動(業間運動)部会

研究発表大会

多摩地区(11月22日 青梅市立第四小学校)
講師 筑波大学教授 岡出 美則 先生(講演会)
区部(平成24年2月10日 葛飾区立高砂小学校)講師 未定

豊かなスポーツライフの実現を目指す体育科の新学習指導要領が全面実施となった本年度、全体研究主題は、「児童一人一人の力を伸ばす体育授業の工夫」~授業モデルの活用を通して~と設定しています。
本研究会では、その内容を先取りして昨年度までの3年間、「分かってできる かかわり合ってつなぐ体育学習」をテーマとして研究を進め、東京の体育指導のスタンダードとしての授業モデル(※)の在り方を追究してきました。本年度は、研究領域の改編を行うとともに、この授業モデルを整理・統合して、平成25年度に予定されている全国大会東京大会に向けた東京の体育の基盤作りを進めていく考えです。
研究の推進にあたっては、授業モデルを活用し、今一度、東京の児童の体力・運動能力、健康といった「一人一人」の実態や発達段階に応じた運動特性に焦点を当て、その状況に合った指導の在り方を「工夫」することで、「技能(運動)、態度、思考・判断、(知識)」等の個々の児童がもっている「力」の更なる伸長を図っていきたいと考えています。
※授業モデル…「発達段階に応じた単元計画の考え方」「一単位時間の授業の進め方」「授業づくりのポイント」等で示した授業改善につながるツール。一定の体育授業の規準を保つことのできるスタンダードとして領域系ごとに示している。

関連事業

研究推進校研究発表会
・町田市立三輪小学校(11月11日)
・港区立御成門小学校(平成24年2月17日)

実技研修会(学体連への協力事業)
・全国学校体育実技指導者講習会(7月29日・30日 千代田区立昌平小学校)
・フラッグフットボール実技指導者講習会(6月5日 千代田区立富士見小学校)

その他、年2回(7月・3月)会報を発行するとともに、研究集録を年度末に発行し、全都の公立小学校と教育委員会、報道関係等に配布しています。詳しくは、小体研ホームページをご覧ください。

お知らせとお願い

1 次号は以下の内容を掲載する予定です。(11月発刊)
 ①全国大会報告(概要)
 ②全国学校体育研究最優秀校紹介
 ③今年度第2回理事・評議員会
 ④保健体育研究会紹介
 ⑤その他

2 メールマガジンまたはホームページを通して全国の保健体育研究や学校、個人の方の実践状況を発信する予定です。
 皆さんまたは皆さんの周りでご活躍されている研究団体、学校、個人をご紹介下さい。

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発行日 2011/9/14
発行者 公益財団法人日本学校体育研究連合会 メールマガジン・ホームページ編集部