学体連ニュース 第4号2012/2/8

目次

1 トピックス
2 新しい年を迎えて:学体連 片岡暁夫会長の挨拶
3 関東地区高等学校保健体育研究大会報告
4 研究会のお知らせ
  (1)全国ダンス・表現運動授業研究会と東海大学体育学部学校体育授業研究会との連携研修会について
   (2)九州体育・保健体育ネットワーク研究会
5 お知らせ

1 トピックス

第50回全国学校体育研究大会長野大会において、平成23年度全国学校体育研究優良校103校の表彰が行われました。
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2 新しい年を迎えて

体育の体は具体の体:メールマガジンが具体を媒介することを期待する

日本学校体育研究連合会 会長:片岡 暁夫

 学校体育実践の基礎単位は、1学期間継続する体育授業である。そこで児童生徒はまとまりのある学習をし、成長の一段階を登る。第二段階のまとまりは学年のまとまりであろう。3つの学期は有機的に関連づけられる。そして学年を単位とした3ないし6年の関連づけとなる。このようにして日々の授業が見通しを持ち、関連したものとなる。まとまりがだいじである。
 1学年が3学期制だとすると、小学校では18単位の体育授業期間があることになる。18段階成長するのである。中学校では9単位の学習と成長、高校でも9単位の学習と成長が起こる。小中高合計すると36単位のねらいになる。
 その全体を関連づける。教育者は、これらを満たす体育科教育プログラムを設計することになる。学習指導要領において、設計の標準が示される。ここでは多様な要因が関係してくる。例えば、他教科との協力関係である。教科教育は、教育の一部を分担しているからである。個々の子どもの発育や発達の課題はそれぞれ異なる。つまり、抽象的には論理的なカリキュラム構成ができるのだが、具体的には多様なプログラムの調整が必要になるのである。そこに専門職としての体育担当教師の力量が問われるであろう。
 この場合、小中高の12年間の連携が、個々の生徒について要請されることになる。たとえば、地域の中の体育情報の交換が重要である。例えば子の生徒は何が得意なのかについての伝言である。
 そこで、児童や生徒の発育発達について考えてみなければならない。
目標に応じて良く機能する心身をもつことは、人間共通の願いである。人は生まれてすぐに動く。呼吸をする。乳を吸う。物を掴む、手足をばたばた動かす。眠る、排泄をする。寝返る、這う、歩く、走る。目でみる、声を出す、耳で聴く。食べる、味わう。触る、触られる。
 このような心身の機能は、生きるという目標と一体となっている。生命目標といってもよい。目標と手段とにまだ分離できない。いわば、混沌状態、カオス状態である。心身未分である。
 やがて、これを背景にして、名づけの世界、言葉や技術の世界が出現する。ロゴス、ことばと論理と熟練の世界である。この世界では目標が独立し明確化する。目標は、「目」という字を用いるように、視覚機能を模範とする。未来を見るのである。「目あて」も視覚機能と関連する。目を何かに向けて当てるのである。そこに生命的混沌との分離、具体からの逸脱の危険が生じる。
現代人は視覚機能を中心に感覚するといわれている。実際に、そばにいかなくても、遠くからみることができるからである。しかし、欠点もある。具体性に欠け、直接的すぎるのである。目の前のものにだまされるのである。未来が捉えられない。
体育の「体」は「具体」の体でもある。からだで確かめるのである。人間の感覚のうち、視覚、聴覚,嗅覚は直接的な把握のための飛び道具である。遠くにあるものを捉えることができる。触覚、味覚、筋肉・力感覚、内臓感覚、バランス感覚、深部感覚、動きの感覚などは具体的に感じるとともに未来を感知する。例えば、ボールを投げるとき力加減でとんでゆく先を予知する。心の不安感、焦燥感、積極感、愉快感、充実感、安心感、達成感、自信、愛着感などは、具体的な感覚である。具体的に未来を予知する側面をもつのである。マラソンを完走した人には、記録の如何に関わらず、充実感や達成感が訪れるという。具体的な感覚なのである。こどもは、遊びの中で、具体的に勝利の喜びを感じるなどである。体育授業の場は、具体感豊かな場である。それが36単位の授業の場で考慮されるのである。
 情報化時代に入って、生活のヴァーチャル度が高まったという。つまり具体性がなくなるという現象が生じている。外で子どもたちが遊ばなくなった。具体の場が消えた。いまは室内ゲームが中心で、具体性がなくなった。人間関係の具体的な成長の機会が減った。
真実を伝える情報には価値がある。真実の報道である。ことばより、映像が、具体的な実情を伝えるのである。実際に現地に入ることで、さらに真実を掴めるであろう。具体の度合いが強くなるのである。体育における具体の学習はますますだいじになる。
メールマガジンを発刊することになった。小・中・高の12年間の体育の実情をつたえるであろう。それを手がかりにして、具体的な人間づくりの現場を訪ねること、授業連関を研究することへと展開し貢献するメディアに育っていくことを期待する。

3 関東地区高等学校保健体育研究大会報告

杉山 正明先生(東京都高等学校保健体育研究会)

 第39回関東地区高等学校保健体育研究大会が、11月24日(木)・25日(金)に国立オリンピック記念青少年総合センタ-にて開催されました。
関東地区1都7県の高等学校の約180名ほどの先生方が参加され、初日には、開会式の後に、全国学校体育研究連合会の副会長でもあります日本体育大学大学院研究科長の高橋健夫先生の講演があり、その後に3つの分科会に分かれての各都県の保健体育に関する研究発表並びに研究協議が行われました。
高橋健夫先生の講演では、「新学習指導要領と高校の体育授業の在り方」という演題で、平成25年度から年次進行で導入される新学習指導要領の概要と高校体育が現在置かれている状況についての解説があり、続けて小学校や中学校での先進的な体育授業の映像などを紹介していただきながら、今回の学習指導要領の改訂の趣旨や目指すべき高校の体育授業のヒントを提示していただき、とても参考になるお話でした。1時間の講演時間でしたが、参加された先生方はもっと聞きたかった、という声が多く寄せられました。
その後の分科会は2日間で、それぞれ4つの発表が行われました。第一分科会は保健、第二分科会は体育、第三分科会は総合的な学習の時間や特別活動という括りでの発表でした。それぞれの分科会とも発表もそうですが、研究協議も現場ならではの質問や意見が多く、しかも授業で活用できる副資料もあり、実り多い分科会となりました。
以下に、各分科会の発表テ-マをご紹介します。なお、来年度の第40回大会は神奈川県で行われます。

第一分科会

・ 『保健』学習の広がりについて(埼玉県)

・ 『ヘルスプロモーションの考え方を活かした保健授業』(山梨県)

・ 『薬物乱用と健康の授業』~薬物に対する意識及び理解度の確認~(神奈川県)

・ 『社会人の感じるストレスとその対処法』~アンケート調査を基にして集約をする授業実践報告~(千葉県)

第二分科会

・ 『生徒がつくる授業』~生きる力をはぐくむ~(東京都)

・ 『高等学校における「タグラグビー」の体育科教材としての可能性』(群馬県)

・ 『一人1人を伸ばす学習指導の工夫・改善 』 運動の学び方を身に付け、体力や運動技能を高める授業の工夫(埼玉県)

・ 『興味・関心を高める保健の授業の工夫』(栃木県)

第三分科会

・ 『視聴覚映像を用いた教え合いの授業』(神奈川県)

・ 『1、平成20年度 舞踊研究発表大会について』『2、ダンスの授業導入時に使える教材研究について』(東京都)

・ 『運動部活動に関する意識調査 ~これからの運動部活動運営について~』(茨城県)

・ 『スキー教室の活性化について』初級者、DVDの作成について(東京都)

4 研究会のお知らせ

全国ダンス・表現運動授業研究会と東海大学体育学部学校体育授業研究会との連携研修会
日時

平成24年3月27日(火)8:45~
東海大学体育学部学校体育授業研究会主催
第5回東海大学学校体育授業研修会 「一歩先行く保健体育授業づくり」

3月28日(水)  9:30~
全国ダンス・表現運動授業研究会主催
「明日からトライ!ダンスの授業」

会場 東海大学 湘南校舎(最寄り駅:小田急線「東海大学前」駅)
対象 幼・小・中・高・大・専門学校・特別支援学校等の指導者および学生・院生等

その他詳細は両会のHPをご覧ください。

・ 全国ダンス・表現運動授業研究会

・ 東海大学体育学部学校体育授業研究会

九州体育・保健体育ネットワーク研究会

・ 第7回九州体育・保健体育ネットワーク研究会開催案内

・ 第8回九州体育・保健体育ネットワーク研究会 「保健体育授業づくりシンポジウム」

このシンポジウムは鹿屋体育大学と鹿屋体育大学東京サテライトキャンパスとで同時中継されます。

5 お知らせ

1 次号は以下の内容を掲載する予定です。
 ・ 次期全国大会北海道からのメッセージ
 ・保健体育研究会紹介:広島県小学校教育研究会体育科部会 
 ・本年度ご退職される先生(メールマガジン購読者の方からお願いいたしました)
 ・研究会のお知らせ
 ・その他

2 メールマガジンまたはホームページを通して全国の保健体育研究や学校、個人の方の実践状況を発信する予定です。
 皆さんまたは皆さんの周りでご活躍されている研究団体、学校、個人をご紹介下さい。

3 メールマガジンバックナンバーは こちら 

発行日 2012/2/8
発行者 公益財団法人日本学校体育研究連合会 メールマガジン・ホームページ編集部