学体連ニュース 第6号2012/5/20

目次

1 トピックス
2 高橋 健夫学体連副会長:体育的学力を高める体育実践を求めて
3 後藤 一彦学体連理事長:これからの学体連
4 各園・学校の紹介:東京都練馬区立北大泉幼稚園
5 奈良県小学校体育研究会紹介
6 お知らせ

1 トピックス

平成24年度全国学校体育実技指導者講習会校種別開催

学体連ホームページに、平成24年度全国学校体育実技指導者講習会校種別開催の概略を掲載いたしました。多くの先生方のご参加をお待ちしております。

第50回全国学校体育研究大会分科会の授業記録

学体連ホームページのトップページに第50回全国学校体育研究大会長野大会実行委員会作成による大会分科会の授業記録(動画)を掲載しました。

第51回全国学校体育研究大会北海道大会案内

学体連ホームページのトップページに第51回全国学校体育研究大会北海道大会案内用紙などを掲載いたしました。

2 高橋 健夫学体連副会長:体育的学力を高める体育実践を求めて

体育的学力ということ

 「体育的学力」という言葉があちこちで用いられるようになったが、この言葉をはじめに用いたのは私であった。私がこの言葉を用いたのは、当然ながら明確な意図があった。
教育分野で「学力」が問題になると、体育では「学力」ではなく、決まって「体力」が問題にされてきた。なぜ、体育では学力でなく体力なのか。その根本的な理由は、戦前の体育=体力つくりという考え方が今でも政治家の間で、教育学者の間で、そして一般の人たちの間で根強く残っていて、体育分野でもそのことを受容する立場があるからである。私はそのような古い考え方を払拭すべきだと考えてきた。確かに体力を育成することは体育の重要な目標の1つだが、体育の授業で習得させようとしていることはそれだけではない。そのことを強調するために、「体育的学力」という言葉を用いたのである。

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3 後藤 一彦学体連理事長:これからの学体連

1.見えてきた学校体育の指導成果と今後への期待

 平成20年度の文部科学省の調査によると、運動を一日に2時間以上・週に3回する子及び睡眠を1日に8時間以上とる子、朝食を毎朝とる子が25%以上いる学校は体力テストの合計点が顕著に高いとの結果が見られました。また、平成22年に実施した体力・運動能力調査では、小学校高学年と中学・高校生の合計点が4年連続で向上し、しかも、過去13年間で小中高生いずれも最高を記録したとの報告があります。体力の長期凋落が指摘されて久しくなります が、近年、体力つくりの成果が見えてきたと言えましょう。
 本学体連と文部科学省の主催により毎年開催される学校体育の全国大会も、お陰様で平成23年度の長野大会で50回を数えました。
 長野で、大会実行委員会会長の柳見沢宏校長先生と分科会会場校を巡回させて頂いた折、車中で伺ったお話ですが、「いいか、全国大会で授業公開するとは、部活を見てもらうんじゃない。授業を見てもらうんじゃ!」こんな檄をとばす一幕が、大会本番に至るまでの何年かの間には、なかったわけではないと、心に響く本音のお話でした。こんな努力が全国の津々浦々で脈々と行われていることに直に触れるに付け、「学校体育は頑張っている。」「もっとやれそうだ!」との思いを新たに致します。
 「体育」という言葉が、「スポ-ツ」や「健康科学」という言葉に塗り替えられる現象は、大学の学部名称や行政組織の部局名の変更、○○基本法などの新しい法律名などに見られ、「体育の危機」と言う声も耳にします。しかし、現に学校で体育の指導にかかわる小・中・高・特別支援学校の教師は全国で45万人を数えます。また、体育の授業の配当時数は、義務教育期間中だけでも計912時間にも及び、1000時間になんなんとしています。
体育を巡るこれらの環境の中で、体育指導にかかわる私たち教師は、先の文科省報告にあったように“やって成果が上がったこと”に自信をもつとともに、すべての子どもの “生きる力の源”としての“体力・健康つくり”にかかわる職務にもっと誇りをもってよいと改めて思うのです。

2 学校体育のプラットホームづくりを目指す学体連の公益法人化の取組み

 以上のような現状認識に立ち、学体連では、体育指導者の指導者の結束・協同を更に進め、磨き合いながら、社会的な使命を一層明確にし、社会的地位の向上を図ることを目指して、その立場を公益法人とする手続きを進めております。
 公益法人の認可を得るためには、①事業の公益性、②組織運営の公明・公正性、③財務運営の健全性の確保が一層求められ、各都道府県組織をはじめ、関係の皆様に御理解、御協力を頂きながら、一歩一歩進めているところでございます。
 創立50年の歴史を有し、全国47都道府県をつなぐ組織であることを生かし、広く体育・スポーツ・健康関連の研究・実践組織、行政団体、教員養成機関、学会、企業等と連携して事業を展開するための社会的足場として自らがプラットホームとなることを目指してまいります。
 皆様のより一層の御指導・御支援をお願い申し上げます。

4 各園・学校の紹介:東京都練馬区立北大泉幼稚園

体を動かす遊びの活動状況について
-体を動かして遊ぶ楽しさを味わわせ、健やかな心と体を育むために-

東京都練馬区立北大泉幼稚園長
東京都国公立幼稚園長会副会長
園長 関 美津子

 本園は、東京都練馬区の北西部に位置し、埼玉県との県境にある幼稚園です。近隣にはまだ、キャベツ畑などが残り、大変自然に恵まれた地域の中にあって、子供たち一人一人が伸び伸びと体を動かすことを楽しみながら生活を送っています。今年度は、2年保育(4,5歳児)126名が在籍しています。戸外遊びが大好きな子供たちが多く、毎日元気な歓声が園庭に響き渡っています。
昨年度、練馬区教育研究園として「心も体も健やかな幼児の育成―食にかかわる体験を通して―」を主題に研究発表を行いました。食にかかわる体験の内容を「食べる」ことに限定せずに、保育のあらゆる場面を想定して「食」を柱とした保育の充実について研究を進めた中で、分析の視点の一つとして「体を動かす楽しさ」を挙げました。おいしく食事をするためには、お腹がすくことが必要となり、そのためには思い切り体を動かすことが大切であると考えます。今年度もこのサイクル定着させていくために「体を動かす楽しさ」を十分味わうことができるような保育を目指しています。

 今年の3月には文部科学省から幼児期運動指針が出されました。この中で、(1)体力、運動能力の基礎を培う!(2)丈夫で健康な体になる!(3)意欲的に取り組む心が育まれる!(4)協調性やコミュニケーション能力が育つ!(5)認知的能力の発達にも効果がある!ことが述べられ、「幼児は様々な遊びを中心に、毎日、合計60分以上、楽しく体を動かすことが大切です!」とあります。本園では体を動かすことの大切さを意識しすでにこの実践を進めていますが、さらに「楽しく」ということをキーワードにしていきたいと思います。

 現在の子供の遊びの一場面です。園庭にある登り棒や雲梯は子供たちの挑戦意欲を喚起する固定遊具で、入園1か月の4歳児も興味津々で多くの子供たちが挑戦する姿が見られます。また、本園の裏庭には、木登りができる大きな木やターザンロープ、吊り橋等のミニアスレチックも設置されています。そしてその遊具の下にはチップを敷き(年に1度、子供と保護者ボランティアと一緒にチップ撒きをしています)安全管理をしています。また、チップの上を歩いたり飛び降りたりしたときの感触を感じてほしいと願っています。夏は涼しく、森の中の雰囲気が子供たちの自分なりの挑戦意欲を更に引き出しているように思われ、環境が生み出す力の大きさを実感しています。

 ターザンロープで遊ぶためには、まず、そのロープの結ばれているところ(上部の枝分かれしているところ)まで、登らなくではなりません。自分の力で登ることが自分の能力を感じることや危機回避の気持ちを育てることにつながると考えていますので、教師は手助けをせずに励ましの言葉をかけたり、安全面の配慮をしたりして、すぐそばで見守る援助をしています。始めのうちはなかなか登れない子が多いので、順番待ちも長くなりますが、どの子もロープで遊びたい気持ちが強く、頑張って登っている友達の様子を見上げながら、「頑張って」「もう少しだよ」と声をかけたりしながらじっと待っています。そして、長短2本あるロープは高低差もあり、自分の能力に応じて選んで挑戦します。見ていると子供は決して大きな怪我につながるような無理はしません。自分で目標を決めて少しだけ難しいことに挑戦することを繰り返しながら、徐々にダイナミックな動きを楽しむようになります。楽しいから、充実感や達成感を感じるからこそ、根気強く繰り返される遊びなのだと思います。このことが自然に体力、運動能力向上にもつながっていくと考えます。

 幼稚園では様々な体を動かす遊びが展開されています。その一つ一つの遊びの「量と質(内容)」をしっかり踏まえて、体を動かす楽しさを十分味わい思い切り遊べる環境の改善を図ったり教材開発や指導法の工夫を行ったりしながら、心も体も健やかな幼児の育成を目指した保育実践を進めていきたいと考えています。

練馬区立北大泉幼稚園ホームページ

5 奈良県小学校体育研究会紹介

奈良県小学校体育研究会 平成23年度活動状況について

本会は、奈良県小学校体育の振興を図ることを目的とし、小学校体育に関する調査・研究、小学校体育の指導力の充実・向上、小学校の各種体育活動の推進・奨励等の、研究・活動を行っている。
その目的を達成し、諸活動を推進・実施していくため、以下の組織・体制で運営を行い、活動・研修にあたっている。

・ 奈良県小学校体育研究会 平成23年度活動状況

・ 奈良県小学校体育研究会ホームページ

6 お知らせ

1 次号は以下の内容を掲載する予定です。(平成25年1月)
 ・ トピックス
 ・学校体育研究会の紹介:全国ダンス・表現運動研究会
 ・全国の実践校紹介(山形県の特別支援学校三校)
 ・その他

2 メールマガジンまたはホームページを通して全国の保健体育研究や学校、個人の方の実践状況を発信する予定です。
 皆さんまたは皆さんの周りでご活躍されている研究団体、学校、個人をご紹介下さい。

3 メールマガジンバックナンバーは こちら 

発行日 2012/5/20
発行者 公益財団法人日本学校体育研究連合会 メールマガジン・ホームページ編集部