第40回大会までの大会主題等

研究大会は、大会ごとに大会主題を掲げている。この主題をもととしながら、各部会がそれぞれの部会主題および分科会主題を設定し、研究をすすめている。
研究大会主題を眺めることで、40年間の学校体育研究のおおよその流れがわかる。
研究大会主題と主旨の概要を一覧にした(一部の大会は、資料不足で主題の存在自体も含め不明である。また、主旨を掲載していない紀要もある)。

  

第1回全国学校体育研究大会 1962年 「新学習指導要領による体育学習は、どのように展開したらよいか」
第2回全国学校体育研究大会 1963年 主題不明
第3回全国学校体育研究大会 1964年 主題不明
第4回全国学校体育研究大会 1965年 「学習内容の精選と指導の質の向上」
第5回全国学校体育研究大会 1966年 「運動技能の効果的な指導はどのようにしたらよいか」
主旨:運動技能の達成は体育の目標の1つであると同時に、他の目標(体力、社会的態度、健康、安全)を実現する軸である。技能指導の根本問題はどのように指導すれば上達が早いかという効果的な指導の道筋の問題である。運動上達の段階は、「できない」-(それらしくどうにか)「できる」-「うまくなる」-「強くなる、高度なやり方でできる」である。この共通理解のもと、それぞれの種目と小中高の各段階での具体的指導過程を研究した。指導過程の構成は次の点を考慮した。1)技能内容の指導順序は全体から部分であること、2)指導順序は運動上達の過程と結びついたものであること、3)運動の上達を「運動ぶり」でとらえ、上達の過程に対応して示すこと。
第6回全国学校体育研究大会 1967年 「運動技能の効果的な指導はどのようにしたらよいか」
第7回全国学校体育研究大会 1968年 「学校体育の中で体力つくりをどのように進めたらよいか」
主旨:体力つくりは、児童生徒ひとりひとりの問題として考えていかなければならないことであり、すべての生活活動に密着したものでなければならない。そのためには体育の学習指導の充実が先決問題であり、ひとりひとりに目を向けた学習指導のあり方がカギになる。
第8回全国学校体育研究大会 1969年 「体育の効果的な学習指導をどのように進めるか-とくに、体力つくりの面から-」
主旨:21世紀に伸びゆく児童生徒の健康とたくましい体力、気力の育成を目ざし、学校体育における体育学習の諸問題を分析検討し合いつつ望ましい学習指導の在り方について研究し、指導者としての資質をさらに高めようとするものである。
第9回全国学校体育研究大会 1970年 「自主的体育学習はどのようにすすめるか-とくに体力技能づくりの面から-」
主旨:体格面に比して体力面の成長が劣っている。新学習指指導要領は目標として、1)健康の増進と体力の向上、2)健康で安全な生活を営む態度の育成、3)体育の生活化を示しているが、これは実践場面での自生的な学習に支えられねばならない。したがって、「体力づくりの問題」「主体的体育学習の問題」が主題となる。
第10回全国学校体育研究大会 1971年 「運動の特性に応じた効果的な学習指導はどのようにしたらよいか」
第11回全国学校体育研究大会 1972年 「連動の特性や発達段階に応じた効果的な体育指導-次代をきりひらくたくましい児童生徒の育成をめざして-」
主旨:体育は「身体活動を通しての教育」である。教育の手段としての身体活動(運動)をどのように選択し、指導するかは、運動の特性を生かしながら、児童生徒の発達段階に応じて、健康の増進や体力の向上に適合するかを明らかにすることである。
第12回全国学校体育研究大会 1973年 「体育学習における効果的な指導を行うにはどうすればよいか-とくにたくましい人間形成をめざして-」
第13回全国学校体育研究大会 1974年 「生涯体育の基礎を築く児童・生徒のいきいきとした授業の開発-技能習得過程における子どもの意識-」
主旨:これまで、当県の体育の研究は「効果的な学習指導法」「効果的な段階的指導法」に集中していた。それは技能習得過程の構造化と具体的方法の有効性の追求であった。ここに、子どもの意識の様相と変容の道筋の究明による子どもの活動の事実を見つめ、事実から学んだ指導を付与することは、生徒が主体的に学習にとりくむ授業への更なる前進を期待させる。
第14回全国学校体育研究大会 1975年 「体育指導の充実をめざして」
第15回全国学校体育研究大会 1976年 「体育指導と体力の向上」
第16回全国学校体育研究大会 1977年 「すすんで実践する体育学習をめざして」
第17回全国学校体育研究大会 1978年 「体力向上の在り方を求めて」
主旨:学校教育における体育は、心身ともに健康でたくましい国民を育成する上に重要な役割を担うものである。特に我が国の現状から、児童・生徒の体力つくりを積極的に推進する必要がある。
第18回全国学校体育研究大会 1979年 「心身の健康をめざして」
第19回全国学校体育研究大会 1981年1月 「望ましい態度・習慣の育成をめざして」
第20回全国学校体育研究大会 1981年11月 「たくましいからだと心を育てる」
第21回全国学校体育研究大会 1982年 「生涯スポーツを志向した学校体育の推進を目指して」
第22回全国学校体育研究大会 1983年 「運動の実践力を高める学習過程はどうあるべきか」
第23回全国学校体育研究大会 1984年 「運動の特性に基づく楽しさを味わうための学習の指導はどうすればよいか」
主旨:これからの体育は、運動を教育の手段とすると同時に、教育の目的・内容として取り上げ、運動への自発的・自主的な取り組みを育てなければならない。すなわち、運動の楽しさを求め、楽しく運動の学習が進むように組織されなければならない。そこで運動の機能的特性と子どもから見た特性を明らかにし、学習のねらい(子どもが特性にふれられる)と学習の道筋(内容の発展と楽しさの深まりを結びつける)を探った。小字校期では、いろいろな運動に触れて、それぞれを楽しむこと、中学校期では、自分と運動の関係を自分で考え、自分に適したスポーツを探すこと、高校期では、個性に応じて運動の学習を深めることが重要になる。
第24回全国学校体育研究大会 1985年 「生涯体育を指向し,豊かな人間性を育成する学習指導のあり方」
主旨:学習の成果が生涯にわたる運動実践につながるようにすることを重視しながら、強健な身体、強い意志の育成と体力の向上及び運動を媒体として人間教育を行うという保健体育科独自のねらいが達成されるよう学習の指導が展開されなければならない。この時、この学習の成立を図るための諸条件の整備と実践が課題となる。
第25回全国学校体育研究大会 1986年 「学習効果をより高める体育指導はいかにあるべきか」
第26回全国学校体育研究大会 1987年 「21世紀をたくましく生きぬく児童生徒の育成を目指す学校体育の創造」
主旨:20世紀後半下半期の科学技術の進歩等、社会変動のテンポの速さは、学校体育に新たな課題を提供することになってきた。また、21世紀は想像を超える激動の社会になることは確実である。そのような世界をたくましく生きぬく人間を学校体育の分野で育成するにはどうあるべきかを考える時期にきている。
第27回全国学校体育研究大会 1988年 「いのちを尊び、心と体を鍛え、たくましく生きる子供の育成をめざす体育学習指導」
主旨:体育指導の今日的課題解決に迫ろうとするものである。
第28回全国学校体育研究大会 1989年 「自ら運動に親しみ、豊かな心と健やかな体を育て、生涯スポーツをめざす新しい学校体育を求めて」
主旨:本年(平成元年)3月に告示された学習指導要領に示された基本方針の最も核となると思われる、生涯体育・スポーツに焦点を当て、生涯にわたる体育を目指し、自ら行う体育を実践させるために主題を設定。
第29回全国学校体育研究大会 1990年 「21世紀を豊かに、たくましく生きる子どもの育成を目指す学校体育の在り方を求めて」
主旨:生涯体育・スポーツを重視した新学習指導要領の趣旨を受け、今後の学校体育の充実・発展に資することをめざす。子供たちが現在及び将来の生活に進んでスポーツを取り入れ、それを楽しみとし、生活を充実させるスポーツ、生活を創造するスポーツへと発展させ、人間として健康でたくましく豊かな生き方を求めていくことができるような学校体育の在り方を追求する。
第30回全国学校体育研究大会 1991年 「生涯スポーツを指向し、豊かな人間性を育成する学校体育の推進をめざして」
主旨:児童・生徒が生涯を通じて運動に親しみ、たくましい心身を培うとともに、明るく豊かで、活力に満ちた生活を営む能力や態度を養うことは学校体育の重要な役割である。
第31回全国学校体育研究大会 1992年 「生涯体育・スポーツの基礎を培い、心身ともに健康で活力に満ちた幼児・児童・生徒を育成する学校体育の在り方」
主旨:新学習指導要領の趣旨と本県健康教育の基本理念を押え、今後予想される社会の著しい変化とそれに伴う幼児・児童・生徒の生活や意識変容に配慮しつつ、生涯体育・スポーツの基礎を培い、たくましい心身の育成を図ることを基本として研究を進める。
第32回全国学校体育研究大会 1993年 「21世紀を心豊かに、たくましく生きる幼児児童生徒を育成する学校体育の在り方」
主旨:新学習指導要領の趣旨と「県民の豊かなスポーツライフ」という本県の施策とから、子ども達一人一人の発達段階や個性に応じ、健康で活力に満ちた心身の育成と生涯を通じて体育・スポーツに親しむための基礎作りをすることが、学校体育に携わる我々の役割であると考える。
第33回全国学校体育研究大会 1994年 「一人一人が、運動の楽しさを味わい、ゆたかな心とすこやかな身体を育てる生涯スポーツをめざした学校体育のあり方」
主旨:社会の要請と学校体育への課題に対し、一貫性のある研究テーマのもと、生涯にわたって運動・スポーツに親しむ園児・児童・生徒の育成を図ることを目標としている。また、「健康で明るく・活カと積極性に富む人づくりの推進」という本県の教育指導の重点施策の実現にも向かっている。
第34回全国学校体育研究大会 1995年 「自ら運動を求め、楽しみ、生涯にわたって運動に親しむ子どもの育成を目指して」
主旨:一人の子どもの生涯を見つめることを大切にして学習内容を見直し、その学習に深まりと広がり、そして連なりのある一貫した教育実践ができるようになることをねらいとしている。つまり、幼・小・中・高と進級し成長していく子どもを学習の主体として明確にとらえ、それぞれの発達過程の中で、主体的・自発的に意欲をもって学習に取り組むことができるように、縦(校種)と横(地域)との関連を大切にしながら、指導のあり方を組織化し、具体化していきたいと考えている。
第35回全国学校体育研究大会 1996年 「生涯スポーツをめざして、一人一人が運動する喜びを味わえる体育学習のあり方」
主旨:将来子供たちが生活に進んで運動やスポーツを取り入れ、それを楽しみとして、人生を充実・発展させ、21世紀を健康でたくましく生き抜いていける力を身につけさせたい。このような願いのもとに、楽しさや喜び、充実感や達成感の体得、思考・判断できる場を保障する学習活動のあり方を探る。
第36回全国学校体育研究大会 1997年 「21世紀を生き抜く、生涯体育・スポーツの深化を図る体育学習・運動あそびの在り方をもとめて」
主旨:「生きる力」や「ゆとり」をキーワードとして、変化の激しい社会をたくましく生き抜くための資質や能力の育成が教育の課題として強調されている。学校体育では、「生涯体育・スポーツ」を実践していくための基礎的能力を培うことがより重要視されてきている。特に、学習指導要領の改訂を目前にして、その趣旨の定着から21世紀を目指した学校体育が模索されてきている現在、新しい試行と挑戦が必要である。そのことがまさに「深化」であると捉える。
第37回全国学校体育研究大会 1998年 「あそび・スポーツのある豊かな社会-学校体育の役割-」
主旨:大人にとっても子供にとっても「あそびやスポーツ」が健康で、生きがいのある生活追求に有用な働きをすることはいうまでもなく、学校期を終了するまでに、それらを享受する方法を習得させることが、子供たちの生涯を豊かにするものと考える。これまでの効率・能力・合理性の追求から、生きがい・ゆとり・心の豊かさの追求への変容を求めて、「あそび・運動・スポーツ」とのよりよい関係を積み上げていきたい。とりわけ「豊かな人間性の育成」を実践の大きな柱として研究を深めていく。
第38回全国学校体育研究大会 1999年 「ともに、すこやかなスポーツライフをはぐくむあそび・スポーツの在り方」
主旨:第15期中教審及び保体審の答申等を踏まえ、「運動好きの子供たちをはぐくみ、生涯にわたりすこやかなスポーツライフを送るための運動に親しむ資質や能力の育成」を研究の柱とする。そして、運動好きの子供たちの育成には以下の2点が極めて大切であるとの考えより主題を設定する。「子供たちが今まで以上に発達段階に応じて基礎的な体力・運動能力を高め、多様な運動に触れ、その楽しさや喜びを味わい、自分にあった運動を選択し、意欲的に活動できるようにするための指導の在り方」と「運動の楽しさを共有する学習活動の中で仲間を尊重し、協力し合い、励まし合い、競い合う等の人とのかかわり方についての研究」の2点である。
第39回全国学校体育研究大会 2000年 「発達段階に応じ、喜びや感動を与える体育学習の在り方を求めて」
主旨:現代社会の持つさまざまな問題が学校教育現場にも影響を与え、体育においても、児童生徒の体力・運動能力の低下、身体活動の機会の減少、運動に対する二極化現象などの問題が指摘されている。そうしたなかで、すべての子供が運動を好きになり、得意になり、生涯にわたって運動に親しむ態度を身につけていくことが、健康で豊かな生活を営むための基盤として、重要不可欠と考えられる。発達段階に応じて、体力の向上や運動に親しむ態度の育成を図り、さらに生涯スポーツの基礎つくりや豊かな人間性をはぐくむことができるような学校体育の在り方や役割がこれまで以上に重要と考える。
第40回全国学校体育研究大会 2001年 「仲間と一緒に夢中になって取り組む運動遊び・体育学習のあり方」
主旨:教育改革を目指して新学習指導要領が実施されようとしている。体育・スポーツにおいては、従来の運動観・スポーツ観・教育観を踏襲していくだけでは現在の社会や児童生徒の状況に合わない現実が生まれてきている。単に健康の保持増進や体力の向上のためだけでなく、生活の質的向上をめざす活動として、また、豊かな心の育成が強く求められる今日、子どもと運動の、あるいは子ども同士のかかわりの中でコミュニケーションづくりや思いやりの心を育てることに大きく貢献できる活動としてとらえられる。すなわち、子どもたちが自ら進んで運動の楽しさや喜びを体験し、たくましく生きるカと豊かな心を育む学校体育の在り方が求められていると考える。